禁煙すると精子の状態は改善しますか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

喫煙が不妊の原因になるということを知っている人は少ないかもしれませんが、喫煙は精子の状態に影響を及ぼすといわれています。喫煙は精子の状態を低下させ、禁煙は精子の状態を改善させるという報告があります。

喫煙は、精子の状態を低下させるだけでなく、受動喫煙による卵巣機能の低下や胎児への悪影響もあるため、少なくとも妊活中は夫婦ともに禁煙した方が良いでしょう。

喫煙は精子の状態を低下させるといわれています

喫煙者は非喫煙者に比べると、精子の数が15~25%減少、運動率が10~17%低下、奇形精子率が13%上昇するという報告もあります。そのため、喫煙は男性不妊の要因のひとつであると考えられているのです。

喫煙が精子の状態を低下させる原因は、まだはっきりとわかっていません。喫煙によって大量に発生される活性酸素や、ニコチンが原因ではないかと考えられています。

体内に取り込まれた酸素の一部は、体内で他の物質と反応しやすい状態に変化します(活性酸素)。活性酸素は、異物を攻撃するなどの作用があり、生命維持のためには必須の物質です。しかし、増え過ぎると正常な細胞まで攻撃してしまいます。

喫煙は、活性酸素を大量に発生させるだけでなく、活性酸素から守ってくれる抗酸化作用があるビタミンCなどを減少させてしまうのです。そのため、喫煙は造精機能障害を引き起こし、精子数の減少や精子DNAの損傷をうながしていると考えられています。

また、喫煙によって発生する酸化ストレスによる影響や、血管収縮による血行不良の影響で勃起障害(ED)が起こりやすくなるという報告もあります。

最低3ヶ月は禁煙しましょう

精子は作られ始めてから産生されるまでに、3ヶ月かかるといわれています。そのため、喫煙の影響を受けていない精子で妊活するには、妊活の3ヶ月前から禁煙する必要があると考えられています。

女性が妊娠した後なら男性は喫煙してもよい、ということではありません。妊婦の受動喫煙は、胎児に重大な影響を及ぼす可能性があるからです。

妊婦の喫煙は、流産率を高め、早期破水や早産、胎盤異常、周産期死亡などが起こりやすくなると指摘されています。また、胎児の成長が妨げられるため、低体重児や口蓋裂などの先天異常、乳幼児突然症候群と関係があるという報告があります。

また、男性の喫煙する量が多ければ多いほど、妊婦や胎児に与える影響が大きいという報告があります。

生まれてくる子供のために、妊活を開始する3ヶ月前には、夫婦そろって禁煙を始めて、少なくとも無事に子供が生まれるまでは禁煙を続けることをおすすめします。

禁煙による精子の状態の改善には個人差があります

喫煙している人が禁煙したら、全員の精子の状態が同程度改善するということではなく、個人差があるようです。禁煙して精子の状態が大幅に改善した人もいるし、わずかしか改善しなかったという人もいるという報告があります。また、改善度合いは、体質や禁煙前の喫煙量にも関係しているという人もいます。

先天的に精子に異常がある人や喫煙によって精子の状態が低下しなかった人は、禁煙したからといって改善することは難しいでしょう。また、精子はデリケートなため、精子の状態が改善したからといって、それが禁煙によるものなのかを完全に調べることは難しいです。

また、勃起障害の人で、禁煙して血行が改善されると、勃起障害が治ったいうケースもみられるようです。

禁煙して規則正しい生活を送り精子の状態を改善させましょう

妊娠に大きな影響を与える禁煙をすることは、妊活の第一歩といえるでしょう。

精子の状態を改善させるために、良いといわれるさまざまなことをしたとしても、喫煙によって精子の状態を悪くしていては意味がなくなってしまいます。まずは、禁煙をして精子の状態を悪くさせる要因をなくすことから取り組みましょう。同時に規則正しい生活やバランスのとれた食事をとり、精子に良いといわれていることにも取り組んでください。

また、精子に問題があるかどうかにかかわらず、生まれてくる子供に悪影響を与える可能性がある喫煙はやめることをおすすめします。

精子の状態を改善させるためには、数日間精子に良いことをすれば良いということではなく、長期間継続することが大切です。夫婦やパートナーと協力しながら、ふたりで前向きに取り組めば、絆も深くなりますし、精神的負担も軽減されるので、良い結果になる可能性が高くなるでしょう。

(まとめ)禁煙すると精子の状態は改善しますか?

1.禁煙で精子の状態が改善した人もいるという報告があります

喫煙は精子の状態に影響を及ぼすという報告があります。また、受動喫煙による卵巣機能の低下や胎児への影響にも、注意が必要です。妊活中は、夫婦そろって禁煙した方が良いでしょう。

2. .喫煙は精子の状態を低下させるといわれています

喫煙は精子の状態を低下させるといわれているため、男性不妊の要因のひとつであると考えられています。

また、喫煙によって発生する酸化ストレスによる影響や、血管収縮による血行不良の影響で、勃起障害(ED)が起こりやすくなるという報告もあります。

3. 最低3ヶ月は禁煙しましょう

精子は作られ始めてから産生されるまでに、3ヶ月かかるといわれているため、最低でも妊活の3ヶ月前から禁煙しましょう。

また、胎児への影響などを考えると、妊娠したからといって禁煙をやめるのではなく、無事に子供が生まれてくるまでは禁煙することをおすすめします。

4. 禁煙による精子の状態の改善には個人差があります

禁煙による精子の状態の改善度合いは、喫煙量や体質などによって個人差があります。

勃起障害の人は、禁煙して血行が改善されると、勃起障害が治ったいう報告があります。

5. .禁煙して規則正しい生活を送り精子の状態を改善させましょう

妊娠に大きな影響を与える禁煙をすることは、妊活の第一歩といえるでしょう。精子の状態を改善させるためには、数日間精子に良いことをすれば良いということではなく、長期間継続することが大切です。

夫婦やパートナーと協力しながら、ふたりで前向きに取り組めば、絆も深くなりますし、精神的負担も軽減されるので、良い結果になる可能性が高くなるでしょう