
妊娠しない理由は人によってさまざまです。精子と卵子の状態が同じような夫婦でも、妊娠できる夫婦もいますし、妊娠できない夫婦もいます。
日頃、性交渉を行っている夫婦でも、妊娠しにくい日に行っていたのでは、妊娠する可能性は低くなってしまいます。妊娠する可能性を高めるためには、妊娠についての正しい情報を知って、精子と卵子の質を高めるように努め、妊娠しやすい日を予測して性交渉をすることが望ましいでしょう。
さまざまなことを試したのに妊娠しない場合は、少しでも妊娠する可能性を高めるために出来るだけ早く検査を受けることをおすすめします。
目次
妊娠できない夫婦が増えています
なかなか妊娠しない夫婦は、10~20%程度いるとされています。妊娠のしやすさは男女ともに年を取るにしたがい低くなり、特に女性は45歳以降に妊娠の可能性がほとんどなくなるというほど顕著です。
近年、不妊治療を受ける人が増え、治療を受ける人の年齢も上昇しています。その理由は、晩婚化というだけではなく、不妊治療の進歩により以前なら妊娠を諦めなければいけなかったような人にも、妊娠する可能性のチャンスを得られるようになったことが関係しているでしょう。
また、不妊症の原因につながると考えられている子宮内膜症や性感染症などを発症する人が増えていることも、妊娠できない人が増えている原因だと指摘する人もいます。
妊娠を目指すために正しい知識を身につけましょう
妊娠についての正しい知識を身につけることが大切です。世の中には、さまざまな情報が出回っています。間違った情報を信じて実践してしまったら、妊娠に悪影響を及ぼしてしまう場合もあるので注意が必要です。正しい情報を見抜けるようになりましょう。妊娠について聞きたいことがあったら、出来るだけ専門家に聞くことをおすすめします。
排卵日の2~3日前に性交渉をするのが最も妊娠しやすいと考えられています。基礎体温を測るだけでは正確な排卵日はわかりませんが、大まかには予測できます。女性は、基礎体温を測って排卵日を予測し、妊娠する可能性をできるだけ高めましょう。
精子や卵子の質を少しでも高めるために、禁煙しバランスの取れた食事をとり、ストレスを上手に解消して、十分な睡眠をとることを心掛けることをおすすめします。
避妊なしで1年間妊娠しなかったら検査を受けるか検討しましょう
検査を受けるタイミングは、年齢や経済状況など人によって異なっています。一般的には、避妊なしで性生活を行い1年妊娠しなかった場合を不妊と定義しています。
20代前半の若い夫婦は、生理不順など明らかな問題が認められない場合は、1年間妊娠しなくても焦って検査を受ける必要性をそれほど感じないかもしれません。
しかし、20代後半の夫婦の場合は、避妊なしで性生活をしているにもかかわらず1年間妊娠しなかったら、検査を受けることをおすすめします。
30代以降の夫婦の場合は、半年~1年程度妊娠しなかったら検査を受けた方が良いでしょう。年齢を重ねると卵子と精子の質が低下し、不妊治療を受けたとしても妊娠に至る割合が徐々に低下していくという報告があります。そのため、若い夫婦でも検査だけは出来るだけ早く受けて、問題があったら適切な処置を受けることをおすすめします。
夫婦そろって専門機関を受診するようにしましょう
妊娠しない原因はさまざまです。女性側に問題がある場合と男性側に問題がある場合は、約50%ずつという報告があります。女性だけが不妊検査を受けても男性側に問題がある場合は、妊娠が難しいです。そのため、妊娠しない原因をきちんと知るためにも、専門機関での受診は夫婦そろっていくことをおすすめします。
妊活は夫婦ですることです。どちらかに問題があった場合でも、もう一方も妊活した方が妊娠する可能性は高くなるといわれています。また、夫婦で妊活すればモチベーションを保ちやすく、精神的負担も軽減されます。
夫婦そろって専門機関を受診し一緒に妊活することで、夫婦の絆が深まりより良い関係を築くことができるでしょう。
妊娠できないことについてのQ&A
Q:婦人科の検査では妻に異常がありませんでしたが妊娠しません。どうしてでしょうか?
妻に異常がないのに妊娠しないということは、夫側に問題がある可能性が考えられます。また、現在の医学では妊娠できない原因が全てわかるわけではありません。原因不明の不妊ということもあります。
Q:流産を繰り返しています。どんな原因が考えられますか?
流産の原因は、胎児側に問題があるものが最も多くの割合を占めているといわれていますが、3回以上流産を繰り返す方は、違う問題があると考えられます。
流産や早産を経験したことがある方は、経験したことがない方よりも流産しやすい傾向があります。また、流産するほど、再び流産するリスクは高くなってしまうのです。
繰り返し流産を繰り返す場合には、専門機関で男性側の精子に問題が無いか徹底的に調べることをおすすめします。
(まとめ)なかなか妊娠しないのですが?
1. 出来るだけ早く専門機関で検査を受けることをおすすめします。
妊娠についての正しい情報を知り、精子と卵子の質を高めるように努め、それでも妊娠できない場合は出来るだけ早く検査を受けることをおすすめします。
2. 妊娠できない夫婦が増えています
なかなか妊娠できない夫婦が10~20%いるという報告があります。不妊治療を受ける人が増えた理由は、晩婚化傾向や不妊治療の進歩、不妊症のリスク因子を持っている人の増加などが考えられています。
3.妊娠を目指すために正しい知識を身につけましょう
妊娠についての正しい知識を身につけて、実践することが大切です。卵子と精子の質を高めることに努め、基礎体温を測定して妊娠しやすい日を予測して妊娠する可能性を高めましょう。
4. 避妊なしで1年間妊娠しなかったら検査受けるか検討しましょう
年齢を重ねるほど卵子と精子の質は低下し、妊娠する可能性が低くなってしまいます。避妊なしで性交渉を続けていても1年間妊娠しなかったら、検査を受けることをおすすめします。
5. 夫婦そろって専門機関を受診するようにしましょう
妊娠できない原因は、約半数は男性側に問題があるという報告があります。夫婦で妊活に取り組むことで、精神的負担の軽減やモチベーションの維持、夫婦の絆も深まるなどさまざまなメリットもあるため、夫婦そろって専門機関を受診するようにしましょう。