
男性不妊の検査は、病院の泌尿器科か産婦人科、不妊治療を行っているクリニックなどで受けられます。
不妊で悩んでいる夫婦の約半数は男性に原因があるといわれています。女性だけに不妊治療を受けさせるのではなく、男性も不妊検査を受けて問題があったなら不妊治療を受けるべきでしょう。
病院の泌尿器科か産婦人科、不妊治療を行っているクリニックなどで検査を受けることができます。(一般的な泌尿器科では男性不妊の検査をおこなっていない場合もあります)女性不妊に比べると男性不妊を専門としている医師の数は少ないですが、そのような医師がいるクリニックで検査を受けると、より安心して任せることができると思うのでおすすめです。
目次
1. 男性不妊検査では最初に精液検査を行うクリニックが多いです
2. 精液検査では総精子数・運動率・正常形態率などがわかります
3. 精液検査の結果によっては超音波検査・ホルモン検査などを行います
4. 男性不妊検査に関するQ&A
5. (まとめ)男性不妊の検査はどこで受けたらいいの?
男性不妊検査では最初に精液検査を行うクリニックが多いです
不妊検査を受けた方が良いと思っている男性でも、どんな検査を受けるのかわからずに不安な方も少なくないはずです。
男性不妊の検査では、最初に問診・視診・触診のあと精液検査を行い、さらに検査が必要な場合にホルモン検査・超音波検査・染色体検査・抗精子抗体検査などを行うクリニックが多いです。
プライドや恥ずかしさなどから男性不妊検査を受けることを敬遠しがちな男性が多いようです。しかし、女性も不妊検査を受けることが恥ずかしい方もいます。それでも夫婦のために受けているのですから、男性も受けるべきでしょう。
どうしても男性不妊検査を受けるのに抵抗がある方は、スマートフォンで精子の状態をある程度調べることができるアプリがあるので、まずはこれを利用してみてはいかがでしょうか。これは病院で行う精液検査の代わりとなるものではありませんが、問題があるようだとわかれば男性不妊検査を受ける決心もつけやすくなるでしょう。
また、男性の患者が少ない産婦人科よりも、泌尿器科で不妊検査を受けた方が精神的に楽かもしれないのでおすすめです。
精液検査では総精子数・運動率・正常形態率などがわかります
精液検査では、精液量・総精子数・精子濃度・運動率・前進運動率・生存精子率・正常形態率・DNAの損傷・精液のpHなどがわかります。
採精する2~7日間は禁欲し、検査当日の朝に自宅で採精するか、クリニックの採精室で採精します。禁欲期間を守らないと正確な検査結果を得られない場合があります。
検査結果は1~2時間で出るクリニックが多いようですが、クリニックによって異なっているので医師に聞いてみてください。
精液の状態は体調や時間によって変わるので、精液検査を複数回受けた方が正確にわかることから、複数回受けることが推奨されています。
精液検査の結果から、他の検査を受けた方が良い場合は、ホルモン検査や超音波検査など追加検査を受けることがあります。精液検査の結果によって、女性の不妊症治療の方針が変わることがあるので、女性が不妊検査を受けるよりも先に男性が精液検査を受けた方がよいでしょう。
精液検査の結果によっては超音波検査・ホルモン検査などを受けることがあります
精液検査以外の男性不妊検査は、ホルモン検査・超音波検査・染色体検査・抗精子抗体検査などがあります。精液検査で問題が見つかった場合に、これらの検査を受けることがあります。
ホルモン検査では、採血しホルモン分泌に異常がないか調べます。脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体刺激ホルモン)などは、精巣に作用して男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促進させ、精子の生成を促します。ホルモン分泌に異常が見つかった場合にはホルモン療法が有効です。
超音波検査では、男性不妊の原因で多い精索静脈瘤の有無や精巣容積の測定などを行います。手術適応の精索静脈瘤があった場合には外科手術を受けると、精子の質が改善するケースが多くみられています。
不妊の原因となる染色体異常は、染色体検査で調べます。性染色体異常によるクラインフェルター症候群は、男性ホルモンの分泌が低下し無精子症になる可能性が高い染色体異常です。常染色体異常のロバートソン転座の方は、流産する可能性が高まります。
体外受精や顕微授精を検討する上でも染色体検査は大切です。
男性不妊検査に関するQ&A
男性不妊検査に関して、多くの方が疑問に思っていることについてお答えします。
基本精子検査とはどのような検査ですか?
採精し精子の状態を調べる検査です。精液検査と呼ばれている検査です。WHOが発表した下限基準値(表1)と比べて下回っていると自然妊娠の可能性が低いとされています。
検査項目 | 下限基準値 |
精液量 | 1.5ml以上 |
pH | 7.2以上 |
精子濃度 | 1500万/ml以上 |
総精子数 | 3900万以上(1回の射精で) |
前進運動率 | 32%以上 |
総運動率 | 40%以上 |
正常精子形態率 | 4%以上 |
白血球数 | 100万/ml未満 |
一般検査とはどのような検査ですか?
女性不妊検査の一般検査は、血液検査(ホルモン検査・感染症検査・抗精子抗体検査)、子宮卵管造影検査、超音波検査、子宮頸管クラミジア検査、子宮膣部細胞診、子宮頸管粘液検査などです。
男性不妊検査の一般検査は、精液検査、血液検査(ホルモン検査・染色体検査)、超音波検査などです。
なにを一般検査とするかはクリニックによって異なっているので、受診予定のクリニックに問い合わせしてください。
(まとめ)男性不妊の検査はどこで受けたらいいの?
1. 男性不妊の検査は、病院の泌尿器科か産婦人科、不妊治療を行っているクリニックなどで受けられます。
不妊で悩んでいる夫婦の約半数は男性に原因があるといわれています。女性だけに不妊治療を任せるのではなく、男性も積極的に不妊検査を受けた方が良いでしょう。
2. 男性不妊検査では最初に精液検査を行うクリニックが多いです
男性不妊の検査では、最初に問診・視診・触診のあと精液検査を行い、さらに検査が必要な場合にホルモン検査・超音波検査・染色体検査・抗精子抗体検査などを行うクリニックが多いです。
3. 精液検査では総精子数・運動率・正常形態率などがわかります
精液検査では、精液量・総精子数・精子濃度・運動率・前進運動率・生存精子率・正常形態率・DNAの損傷・精液のpHなどがわかります。
精子の状態は体調や時間で異なるので、複数回検査を受けた方がより正確なデータを得ることができます。
4. 精液検査の結果によっては超音波検査・ホルモン検査などを受けることがあります
精液検査で問題が見つかった場合には、ホルモン検査・超音波検査・染色体検査・抗精子抗体検査などを受けることがあります。
今後の不妊治療のために、これらの検査を受けて不妊の原因をより詳細に調べることは重要です。