体外受精(IVF)とはどんな治療なの?
体外受精は、不妊治療のひとつです。
一般的には、自然妊娠や人工授精を行ったにもかかわらず妊娠に至らなかった方が行います。
体外受精で妊娠に至る確率は、体外受精の方法や年齢、男性側の精子の状態で大きく異なっているという報告があります。
体外受精は妊娠しやすいというメリットがありますが経済的負担も大きいため、体外受精をおこなう際には安易におこなわず事前に確認をしておきましょう。
体外受精をおこなう女性の精神的負担を少しでも減らすために、男性は精液検査を受け、日常生活でも妻のフォローすることを心掛けることが大切となってきます。
目次
体外受精(IVF)は体外で受精させ、受精卵を子宮に移植させます
体外受精は、女性から卵子を取り出し、男性から採取した精子と体外で受精させ、3~5日間、受精卵を培養し順調に細胞分裂を繰り返した良好な胚を子宮内に移植させることです。
胚移植には培養した胚をそのまま移植する新鮮胚移植と、一旦冷凍保存して翌周期以降に移植する凍結胚移植があります。現在は、新鮮胚移植を行わずに最初から凍結胚移植をおこなうケースが多くなってきています。
体外受精で妊娠に至る確率は、新鮮胚移植は25%前後、凍結胚移植が35%前後で、年齢によって大きく異なり、20代では40~50%、40代では10%以下という報告があります。20代の妊娠率40~50%というのを見ると、20代の方が体外受精2~3回行えば誰でも妊娠すると思う方もいるかもしれませんが、そういうことではありません。1~2回で妊娠する人もいれば、5回以上行っても妊娠しない人もいるので、体外受精を行った人が最終的に妊娠に至る確率を表したものです。
卵巣刺激の方法は、自然周期法や低刺激法、ショート法、ロング法、アンタゴニスト法などがあります。
体外受精のスケジュールは人によって異なります
体外受精をおこなうのにかかる日数やスケジュールは人によって異なりますが、おおまかなスケジュールをご紹介します。
検査:検査内容は、基礎体温測定、精液検査、頸管粘液検査、フーナーテスト、子宮卵管造影、経膣超音波検査が6大基本検査といわれています。この他にも、血液検査で感染症、ホルモンなどを検査している病院も多くあります。
月経2~4日に、超音波検査で卵巣の状態や子宮内膜の状態などを確認します。自然排卵周期法で体外受精をおこなう方以外は患者に合った排卵誘発剤を使用します。
月経終了~11日目に、子宮卵管造影検査で子宮膣の状態、卵管の通過性などの検査を行い、ホルモン検査や超音波検査で卵胞の育ち具合を確認するのが一般的です。採卵日はホルモンや卵胞の成長度合いから2日前に決めることが多いといわれています。
月経開始11~16日頃に採卵をすることが多く、採卵当日に採精も行います。針を膣に入れ卵胞に刺し卵子を吸引する採卵方法をおこなうのが一般的です。
採卵した卵子を培養液中で精子と受精させ培養します。3~5日間培養した胚を子宮内に移植します。
この時、移植せずに余った胚は液体窒素で凍らせて、妊娠に至らなかった場合に移植できるように保存しておくことが可能です。
胚の移植後、胚の着床と妊娠維持のために、黄体ホルモンの分泌量が少ない場合には補充します。妊娠の判定は、胚移植後1~2週間後に尿や血液検査などによって行います。
妊娠確認後は、妊娠8~9週まで週1回通院し、妊娠状況を確認します。
体外受精はメリットとデメリットがあります
体外受精にはメリットとデメリットがあります。体外受精を検討している方は、メリットとデメリットをよく理解してから決断をしましょう。
体外受精のメリット
一般的に体外受精は、自然妊娠(タイミング療法)や人工授精でも妊娠にいたらなかった方が適応となります。そのような方たちでも、25~35%の確率で妊娠にいたるとされていますので、体外受精は人工授精と比較して妊娠につながりやすいといえます。
また、自然妊娠することを待つより、早期妊娠を望む方にとって体外受精は有効な手段といえるでしょう。
体外受精をおこなうと卵子や精子などに問題があるために受精できないのか、受精卵はできるのに着床に問題があって妊娠にいたらないのかがわかりますので、妊娠できない原因がわかる場合もあります。
体外受精のデメリット
通院回数、排卵誘発剤で副作用が発症した場合などの肉体的負担、体外受精を受けることでの精神的苦痛や経済的負担はデメリットといえるでしょう。
体外受精の費用は30万~となっていることがおおく、人工授精が数万円程度であるので体外受精から飛躍的に負担は大きくなっていきます。
男性は精子検査や妻のフォローを心掛けることが大切です
妊娠にいたらない原因は、男性にあるケースも多いことがわかっています。精子の質の問題で妊娠にいたらない場合もあるので、精子に問題がないのか男性もしっかりと検査をすることがおすすめです。
男性の精子に問題があった場合には、食生活を見直したりサプリメントや漢方を飲んだりして精子の質を改善に努めることで、体外受精が成功する可能性が高まることにつながっていきます。
できるだけ一緒に病院にいって医師の話を一緒に聞くことで、夫婦一緒に不妊治療に取り組んでいると妻にわかってもらうこと、病院にいく前日や当日ぐらいは家事を積極的に手伝うなどの妻への気遣いを忘れないように心掛けることも、不妊治療をすすめていくにあたって重要となってきます。
(まとめ)体外受精で男性ができることは?
体外受精は、不妊治療のひとつです。
体外受精は、一般的に自然妊娠や人工受精で妊娠にいたらなかった方が適応となります。
体外受精はメリットがありますが経済的負担も大きいため、体外受精をおこなう際は気を付けましょう。
女性の精神的負担を少しでも減らすために、男性は妻のフォローにも気をつかっていくことが大切です。
体外受精(IVF)は体外で受精させ、受精卵を子宮に移植させます
移植は培養した胚をそのまま移植する新鮮胚移植と、一旦冷凍保存して翌周期以降に移植する凍結胚移植が行われています。
体外受精で妊娠にいたる確率は、新鮮胚移植は25%前後、凍結胚移植が35%前後とされています。
体外受精のスケジュールは人によって異なります
様々な検査から採卵日を決定し、卵子と精子を培養液内で受精させたのちに、受精卵を培養し子宮にもどします。
胚の移植後、胚の着床と妊娠維持のために、黄体ホルモンの分泌量が少ない場合には補充が必要です。妊娠の判定は、胚移植後1~2週間後に尿や血液検査などによって行います。
体外受精はメリットとデメリットがあります
妊娠しやすいメリットがありますが、肉体的・精神的・経済的負担というデメリットもあるので、よく考えてから体外受精を行うか決めましょう。
男性は精子検査や妻のフォローを心掛けることが大切です。
妊娠にいたらない原因は、男性にあることも多いことがわかってきているので、不妊に悩む男性は積極的に精子検査を受けましょう。
一緒に病院へ行き医師の話を一緒に聞いたり、家事を手伝ったりして妻の精神的負担を減らすことは男性がしなければいけないことです。