精子検査の種類~知っておきたい自分の状況にあった検査~

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精子検査といっても、検査をおこなう機関や検査方法によって違いがありますのでここでは精子検査の種類について順番に紹介していきたいと思います。

①郵送・宅急便検査
特徴…安価・品質低い

②婦人科(レディースクリニック等)でおこなわれる精子検査
特徴…高価・品質中程度

③男性不妊専門の泌尿器科でおこなわれる精子検査
特徴…高価・品質高い

①郵送・宅急便検査

郵送検査の一般的な流れとしては

  • 検査を申し込む
  • 自宅に検査キットが届く
  • 自宅で届いた容器に採精
  • 容器を指定された場所におくる
  • 検査結果のデータがメール等で送られてくる

といったような形になります。

郵送・宅急便検査のメリット

郵送・宅急便検査の大きなメリットとしては、匿名で申し込める検査もあり、気軽に行えるということがあります。採精を自宅で行い、検体をおくるため他者にみられることもないため、恥ずかしいといったこともなく、精子検査をすることに抵抗のある人でも比較的やりやすいといえるでしょう。

費用は2,500円~10,000円程度のところが多いようです。

検査項目

検査項目は業者によって違いがありますが
・精液量
・精子濃度
・精子数
・精子の形態(奇形率)
が基本検査項目となります。

注意点としては、精液を射精してからしてから検査をおこなうまでに時間がかかるため運動率などの精子の生存に関係する項目に関しては検査することができません。精子の運動率は検査値でも非常に重要な項目となるため、その点はデメリットといえるでしょう。

また、検査方法も機械で測定するところや、検査技師、それも精子検査を専門とする臨床検査技師が測定するところなどがあります。

あくまで精子数などに問題がないかといった簡単な検査をおこなうのに適しています。

②婦人科(レディースクリニック等)でおこなわれる精子検査

婦人科における精子検査の一般的な流れは

  1. 婦人科内の採精室にて採精
  2. 容器提出
  3. 婦人科内にて、婦人科医より検査結果の報告

のような流れになります。郵送検査と異なり施設内で採精をおこなうことが一般的です。機関によっては採精してからの持ち込み時間を設定して持ち込み可能としているところもあります。

費用は保険でおこなうところもあることからかなりばらつきがあり、1,000円~10,000円程度となっています。

ただし、婦人科でおこなうことから、男性の精子検査単独でおこなっているところはほとんどなく、妻が受診しているか、これから人工授精、体外受精を行う予定である方のみできるといったようになっているところが多くなっています。

女性がたくさんいる待合スペースで長時間待たされることもあり、精神的な苦痛は多少あるようです。

検査項目

検査方法については機械で検査をするところがほとんどで、郵送検査とは異なり、運動率などの検査も可能となっています。婦人科の先生は、基本的には男性器や機能についての専門家ではありません。検査結果に問題があった時などには男性不妊を行う泌尿器科の受診をすすめられるようです。

当クリニックにおいてもこのような経緯で受診にいらっしゃる患者様が非常に多くなっています。

③男性不妊専門の泌尿器科でおこなわれる精子検査

検査の流れは婦人科等でおこなわれる精子検査と同様に

  1. 採精室にて採精
  2. 容器提出
  3. 男性不妊を専門とする泌尿器科医より、検査結果の報告

の流れとなります。

婦人科の検査との大きな違いとしては専門機関で行う検査として、検査技師が染色して顕微鏡で目視にて調べます。検査技師でも、精子検査を専門に行う技師はそれほど多くありません。また、結果診察も男性不妊を専門とする泌尿器科医が説明します。

基本的には検査結果をただ説明するのではなく精子の状態改善に必要なアドバイスや、必要に応じて精巣の超音波検査、血液検査(男性ホルモンのバランス等)を追加し、それらの結果もふくめて、具体的な治療方針を提示します。

男性不妊専門医は全国に100人に満たないとされるため非常に少なく男性不妊専門の医師が診察診断を行える機関は少ないといえるでしょう。男性不妊の専門医でも、実際に患者さんをそれほど診ていない教授クラスの先生も多く、実際に多くの男性不妊患者が集まっている泌尿器科の先生をさがすのがよいでしょう。

費用は自費診療の機関が多く10000円~20000円程度の費用感となっています。

費用は他の検査と比較すると高額にはなりますが、より詳細に精子の状態について把握したかったり、問題があった際に治療を検討しているのであればあらかじめ専門のところを受診することがおすすめになります。

検査項目

検査項目自体は婦人科でおこなわれる項目と同様のところが多いです。
・精液量
・精子濃度
・総精子数
・正常形態率
・運動率

の検査項目が一般的です。

一部の機関においてはこの項目以外にも精子について詳細に検査をする技術を所持している機関もありますので、高度生殖医療がうまくいかないといった方はより詳細な検査をおこなえる機関で検査をおこなってみた方がよいかもしれません。

まとめ

このように精子検査といっても様々な種類があります。

ご夫婦の状況によって適した検査も異なってくると思います。ご主人が中々検査をしてくれないという方にはまず郵送検査などライトなところの検査からすすめてみることがよいかもしれません。

精子検査の結果が悪いと診断されてしまった方などは、精子検査の結果にはばらつきがあるため一度の検査で確実に悪いとは言い切れませんが専門機関を受診することが望ましいでしょう。

ご夫婦の年齢によっては、時間節約のため初めから専門機関での受診が望ましいと考えられます。
時間をかけず妊娠・出産という結果を出したいと考えているご夫婦は、初めからきちんと検査を行っていて、しっかりと診てもらえる医師がいる医療機関を選ぶ方が良いでしょう。