射精障害で悩んでいる方が増えています

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上手く射精できない事を射精障害といいます。

上手く射精できないといっても様々な要因がありそれにより射精障害は何種類かに分類されます。種類によって治療法も異なります。

ここでは、射精障害について詳しくご説明いたします。

射精障害の種類

射精障害には大きく分けて4つの種類があります。

  1. 膣内射精障害(極度の遅漏)
  2. 早漏
  3. 逆行性射精
  4. 無射精

膣内射精障害

膣内射精障害とは

膣内射精障害は、自慰行為では射精することが可能であるにもかかわらず、性行為時に膣内で射精できない障害のことで、近年増加傾向にある障害といわれています。
この膣内射精障害には妻など特定の相手でのみ射精できない場合やどんな女性でもダメな場合があります。

膣内で射精が出来ないことから男性不妊の一因となることもあります。

膣内射精障害の原因とは

原因には心理的なものと習慣的なものがあります。

心理的なものは個人によって原因は異なりますので一例をあげると、不妊治療でタイミング法を行う場合に男性が射精しなければならないとプレッシャーを感じてしまい射精ができないなどがあります。

習慣的なものは不適切なマスターベーションと考えられていて

  • 強すぎるグリップ
  • 布団や床など硬いものを用いてのマスターベーション
  • 過激な映像の見すぎなどによる現実の女性に対する興奮のうすれ

などがあります。こうした行為を習慣的に行っていると、マスターベーションの時の感覚と膣内に挿入したときの感覚が明らかに異なっていたり、つよい刺激に慣れ過ぎて膣内で快感が得られない状態におちいってしまうことがあります。
そのような状態になってしまうと膣内での射精が困難になり、膣内射精障害となってしまいます。

その他、内服薬の副作用(抗うつ薬など)、アルコール依存、手術、糖尿病などによって膣内射精障害になってしまうこともあります。

膣内射精障害の検査

膣内射精障害の症状は個人によって異なるため、一般的には検査(カウンセリング)を行う際、まず問診で症状を聴取することからはじめます。

問診では、

  • マスターベーションの方法に問題がないか
  • 特定の状況でのみ生じてしまうかどうか

よくある相談例ですと『特定の相手の場合のみ射精できない』『タイミング法や人工授精等を行う際の採精の時になると射精できない』などがあります。
また、飲酒歴、医薬品の副作用の可能性もあるため内服歴を確認する場合もあります。
身体的な疾患が原因の可能性として考えられる場合には血液検査をおこなうこともあります。

これらを総合的に判断し、対応法を医師が提示します。

膣内射精障害の治療

膣内射精障害には特効薬となる薬、サプリメントとして有効であるとされているものがありません。

そのため、膣内射精障害の原因となっていることを突き止め、その原因に対する適切な対応をとることが膣内射精障害の治療プロセスにおいて非常に重要となります。
当然ケースごとに治療方法は異なり、例えばマスターベーションの方法が膣内射精障害の原因と考えられる場合には、方法の改善が必要になります。

例えば、マスターベーション時における強すぎるグリップが原因の場合には、徐々に握る強さを弱くしていき、刺激を落とした状態になれていくことがよいでしょう。

他には、不妊治療からくるストレスが原因と考えられる場合には、性交渉のあり方をパートナーとはなすことも重要になります。
タイミング法を行うために排卵日前後のみの性交渉をこなしていると義務的に感じたり、プレッシャーを感じてしまったりします。
性交渉の機会を排卵日前後に限定しない、プレッシャーをかけすぎないなど、パートナーの協力を得て可能な限り心理的なストレスを取り除くことが必要になります。

中々うまく改善がいかない場合には、経験豊富な生殖医療を専門とする医師に相談してカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

膣内射精障害のまとめ

膣内射精障害は現在増加傾向にある射精障害といわれています。

膣内射精障害になってしまうと不妊の原因となるだけではなくパートナーとの関係性にも問題が生じてしまう可能性もありますので原因に心当たりのがある方は早めに対策、または経験豊富な医師によるカウンセリング、診察を受けるのがよいでしょう。

早漏

早漏とは

早漏とは膣に陰茎を挿入してからすぐ射精してしまう事で、明確な定義はありませんが一般的には挿入後30秒から1分以内に射精してしまったりすることをさします。

不妊という点においては射精はできていますので問題はないといえます。

早漏の原因

原因のほとんどは心因性といわれていて性感覚が敏感になっていることによります。

早漏の治療

射精寸前まで陰茎を刺激することを繰り返すストップ・スタート法が効果的とされています。

逆行性射精

逆行性射精とは

逆行性射精とは、射精時に精液が尿道から外へ放出されず膀胱側へ流入してしまうことをいいます。普通に性行為(マスターベーションも含む)がおこなえてオーガズムも射精感もあっても、極端に精液が少なかったり精液が出なかったりします。

全ての精液が逆流してしまう(完全)逆行性射精と、一部の精液が逆流してしまう部分逆行性射精があります。

不妊という点では精液が出ません(少ない)のでもちろん問題となりますが、膀胱に流入した精子は後に尿と一緒に排出されるので人体に有害な影響を与えることはありません。

逆行性射精の症状

精液が逆流しているなどの感覚、痛みなどはなく自覚症状はありません。
場合によっては射精感があるのに精液が出ない、精液の量が少ない、射精後の尿が白く濁っているといったようなことで気付くこともあります。

逆行性射精の疑いがある場合には、射精後の尿を検査しその中に精子が含まれているかどうかを調べます。

精液の量

精液の量が少ない、もしくは全くないことで気づかれる場合があります。しかし精液の量にはもともと個人差や体調による差もあるため、気づかれないこともあります。

尿の色

射精後に出した尿が、精液が混じっていることで白く濁って見えるために気付かれることもあります。
しかし、射精後はそもそも尿道に少量の精液が残っていることが普通ですので、ご自身では判断は難しいかもしれません。

痛み

射精や排尿に伴う痛みはありません。

逆行性射精の原因

射精は性的興奮が頂点に達したとき精巣上体にある精子が精管を通り精嚢、前立腺から分泌される精漿と混ざり尿道から放出されます。
通常この際精液が膀胱に流入しないように内尿道口は筋肉により閉じています。
このとき内尿道口が緩んでしまっていると膀胱内に精液が流入してしまうことがあります。

原因は内尿道口の問題にあり、
・神経性の問題
・物理的問題
の二種類が考えられます。その他に、原因不明のものもあります。

神経性の問題で一番多いのが糖尿病による神経障害です。
その他には手術、脊髄損傷などによる神経切断、薬の副作用などがあります。

逆行性射精の診断・治療

診断としては逆行性射精が疑われる場合、射精後の尿を検査し尿の中に精子がみられれば逆行性射精と診断されます。

治療は
・薬による治療
・精子を回収して人工授精や生殖医療技術を行う
があります。

薬による治療

薬による治療の場合は交感神経を活発にすることによって内尿道口を閉じさせる効果が期待できる薬や抗うつ薬などが用いられます。
もし投薬による効果がみられれば、精液自体はもともと存在しているので自然妊娠が望めることになります。

精子を回収

薬による効果がみられない場合、膀胱内に入ってしまった精子を回収またはTESEによって精巣から精子を採集し人工授精、体外受精、顕微授精に用いることで不妊治療をおこないます。